文京区で中学受験させたいママの雑な感想

じつに2年ぶりにはてなブログに帰ってきた。2年前も同じように言っていて、また少ししたら顔を出さなくなるかもしれない。

 

祝・息子小学校入学。遠いあのころ保活記事をせっせと書いていたのが懐かしい。今や文京区の保育園には定員割れの文字が並ぶようになっている。我が家はと言えば、0歳からお世話になった認可保育園に6年間平和に通うことができて、この春にはいよいよ卒園を迎える。本当に感慨深い。

 

小学校入学を迎えるにあたり、子どもの進路について考えることがある。

年少からは小学校受験も頭をかすめたが、そういう家庭ではないと考え、学区の区立小学校に入学することにした。その分、土日や夏休みにはとにかくあちこち出かけた。子どもの体験のために。親(私)の思い出のために。

年長では四谷大塚の「新1年生小学校入学準備講座」を受講した。

意図としては、「小学校の授業」を意識させるためで、「これからは一定時間机に向かって勉強もするのだ」ということが分かればいい、と思っていた。講座カリキュラムの一つになっていた全統小テストは、「未就学児のうちからテストなんて受けんでいい」と思ったし、二泊三日の旅行の予定もあったのでパスした。

このときはまだ「私の考える最強の教育」のほうが受験産業の見せてくれる教育像よりも強かった。

 

2月に入り、エクタスの「新小1プレスクール」に参加した。

これも同じ意図で「勉強」を意識してくれればよかった。御三家を目指すトップ層を抱える塾、という認識だったので「私の考える~」にそぐわないため、入塾の意思はなかった。こういうのに参加するお子様たちの雰囲気に息子が刺激を受けてくれたらいいなとは思っていた。

行ってみたら息子のほかに生徒は申し込んでいなかったみたいで、付きっ切りで見てもらった。親も3メートルほど斜め後ろから見ていた。初めは算数からで、息子の手が止まったところ、どうやら間違えたところなどを観察することができた。

途中でエクタスの講座説明のために別室に移り、息子はその間に算数が終わって国語を勉強していた。私は説明を熱心に聴いているふりをしながら「当たり障りない感じで入塾は辞退しよう」と心の中で思っていた。

 

さて、中学受験でいう「男子御三家」とは開成・麻布・武蔵のことであるらしい。

「都立武蔵(中等教育学校)」と「私立武蔵(高等学校中学)」があることさえ知らなかった私だが、説明を聞いてどの学校もレベルの高い問題を出すということはよくわかった。

エクタスはその御三家に、筑駒と駒東を加えて5校への合格を主に目指しているらしかった。

記念受験と同じくらいの熱量で、開成は近いし行けたらかっこいいな☆くらいに思っていたけれど、うちの子を6年見てきて、この子はどこにでもいる平凡な子だということはすでに分かっている。

テレビや漫画やそのほかで見る「狂った教育ママ像」にはなりたくなかった。「子どもの実力を適正に測って、無理させないが子どもにとって最良の進路を示せる親」になりたいと思っていた(思っている)。

 

講座が終わり、「お子様の様子を講師のほうで確認し、のちほど入塾合否について電話でお伝えする」と言われた。

自分自身がイイと思っていない相手から「返事はあとで」と言われるとなんだか変な気持ちになるものだ。「カエル化現象」なんて言葉がはやったけれど、多分逆もあるよな、なんて思いながら待つでもなく電話を待った。

 

「入塾は合格です」

とのことだった。当然と言えば当然だと思った。息子は平凡ながらまじめでいい子だし講座の内容もそれなりにできていたから。そして困ったとも思った。「子どもに発破かけるために利用させてもらいました」とは言えず、断る口実をあれこれ言ってみたが決定的に断るのも難しかった。

そしてなんだか、卑しい気持ちがじわじわわいてきた。

 

文京区のなかでも中学受験率の高い小学校、と言われる学校に入学する。

いやでもこの先中学受験についていろいろ思わざるを得ないだろう。「私の考える最強の教育」は30代主婦の主観に過ぎない。大波に飲まれてもそう言っていられるのだろうか?

運動や芸術部門よりかは、学力のほうがこれから6年もあれば伸ばせるのでないか。

エクタスの掲げる5校は無理でも選択肢が多いほうが良いのではないか。

 

きっと早くて1年後か、遅くても新小4でリタイアするだろう、普通の平凡な子なのだから、という思いもあるがやはり卑しい気持ちが抑えきれず、何回となく子どもに「エクタス行きたい?」と訊いた。

いつも返事は肯定的だった。その回答を免罪符に、きつめの習い事に我が子を放り込むのが正解とは思えなかった。だがやはり力をつけた息子を見てみたいと思わずにはいられないのだった。

 

ここからあれこれ自分に言い訳するだろうけど、多分エクタスには行くだろうし中学受験に参入するだろう。言い訳はさておき大局的には子どものより良い進路を考えていきたい。

まずは小学校入学だ。おめでとう、息子。ここからも元気で頑張ろう!